「アナニアスとサッフィラの死をどう考えるか」


 使徒行伝第5章1から11に「アナニアスとサッフィラの死」の話が載せられている。
使徒行伝の著者はルカ、ルカ福音書と同一人物である。
ルカの思想は、ルカ福音書を読めば、悔い改めと罪の赦し、の2つの概念が根幹である。
 ところが、この話ほど、嫌らしくて後味の悪い話はない。
 どんな話かというと、「アナニアスとサッフィラという名の夫婦が、土地を売って代価の一部を取っておて、残りを使徒たちに献金した。
使徒ペテロは、一部しか献金していないのを知っていて、全額献金しないのは神をだましたことだと責めた。
するとアナニアスは死んでしまった。3時間後に妻のサッフィラがやってきた。
ペテロは全額献金したかと尋ねたら、全額献金したとサッフィラが嘘をついた。するとサッフィラも死んでしまった。」という話である。
 一言で言えば、神に対して嘘をついたら罰が当たって死ぬぞと言う話である。
献金に関しては、「出さないのならはじめから出すな、出すのならちゃんと出せ、一部を取っておいてこれが全部ですというような嘘をつくな。」という話になる。
 もうちょっと言えば、「出すなら全額出せ、出し惜しみをするな、でないと罰が当たるぞ」という説教になるのだ。
 教会によっては十一献金と言って、収入の十分の一を献金することが当たり前になっているところがあるようだ。
献金をどう考えるかということであるが、献金をきちんと出さないと、神(仏)の罰があたる、
またはきちんと献金を出す人は幸せになるなどというのは、**学会などの宗教団体でよく聞く話だ。
 新約聖書のこの部分もこの種の宗教団体にありがちなことが、二千年前にも起きていたことを物語っていて興味深い。