2013,11,17

 2013年全国学力テスト算数問題批判
 (その愚劣さに関する覚え書き)
                    亀谷義富

1,平均点で学校比較ができると考える愚劣さ

 各府県、各市町村、各学校の平均点を出して、1番、2番という結果発表がされている。
 平均比較で、優劣、順位を出すことが科学的だと文科省、府県教委、市町村教委が考えていること自体が愚劣である。
 大学入試ランク、高校入試ランクをはじめとして、テスト結果から学校のランク付けを行う際に、平均点なるものを使いますか?
 偏差値を使うのが常識である。あの学校の偏差値は○○であるから、○○だという評価を行うのである。それは小学校でも同様で、偏差値を用いてランク付けをおこなうのが科学的なのだ。せめて中央値を用いるのなら許せるのだが。
 ちょっと、考えたらわかるではないか。仮に児童2人の学校で、A校は、100点1人、0点2人。B校は50点2人。どちらも平均点が50点だから、同じレベルの学校だといえるのか。
 私は、なにも小学校をランク付けせよと言っているのではない。ランク付けが好きな人に言いたい。非科学的なランク付けをすぐにやめよと。
 過日、大教組教研、数学教育分科会にて全国学力テスト算数問題の検討がなされた。その時の検討なども踏まえて問題の愚劣具合に触れていきたい。

2,算数A問題の愚劣さについて

 算数学習の達成度、どれだけできているのか、ということを調べること自体は良いことだと考えている。しかし、文科省作成のテストたるや、愚劣問題オンパレードで、テストされる児童は悲劇、結果を一喜一憂する教委、親は喜劇を演じさせられているとしか言いようがない。 問題は、文科省のホームページを見てもらうとして、出題された問題の愚劣さを確認しておきたい。
 文科省さん、私に頼めば無料で、解くに値する問題をいつでもつくってあげますよ。
 前置きはこれくらいにして、各問題の愚劣さの指摘をすることに。
(1番)
(1)3位数−2位数の問題であるのが愚劣。503−376のような問題にすべきである。
(2)真小数+真小数の問題であるのが愚劣。2,75+0,9のような問題にすべきである。
(3)×0,8の問題であるのが愚劣。せめて×2,8のような問題にすべきである。
(4)整数÷整数の問題であるのが愚劣。6年生対象であるから小数÷小数の問題にすべきである。
(5)( )を用いた先行計算だけではねえ。乗除先行計算と組み合わせてこそ( )を用いた先行計算の意味が問えるのにねえ。
(6)同分母の繰り上がりなしの計算とは愚劣。繰り上がりありの問題にすべきである。
(7)分数×整数という問題であるのが愚劣。6年生に出すのなら分数×分数にすべきである。
(2番)
 四捨五入させて概数を求めさせる選択問題であるのが愚劣。四捨五入させて一万の位までの概数を求めさせる普通の問題にすべきである。
(3番)
 数式で書けば、X÷3=9+2 というのを解く式を選択させる問題であるのが愚劣。中学校でやるべき問題である。
(4番)
 混み具合を尋ねる選択問題であるのが愚劣。実際に児童がやりたいように計算をさせて、どちらが混んでいるのか回答させるべきである。
(5番)
(1)木の周りをはかる道具を選択させる問題であるのが愚劣。どれで測っても求められないことはないのだ。
(2)1アールと同じ面積の正方形の一辺の長さを問う選択問題であるのが愚劣。素直一辺の長さはどれだけですかという問題にすべきである。
(3)台形の面積を求める式と答えを求める問題であるのが愚劣。台形の面積を求めなさいとだけ問う問題にすべきである。どのような式を書こうと自由なのです。
(6番)
 合同な三角形をかくための条件選択問題であるのが愚劣。実際に合同な三角形をかかせるべきである。
(7番)
 円柱の展開図から高さ、円周を求める問題。こんなもんでしょう。
(8番)
(1)50%の答えを求める問題であるのが愚劣。50%といったら半分のことでしょう。せめて40%とか60%とか尋ねて計算させるべき。
(2)120%の答えを予想させる問題であるのが愚劣。実際に計算させて答えを求めさせるべき。
(9番)
 棒グラフの読み取り問題なのだが、1目盛り2の棒グラフ問題を6年生にだすとは呆れかえるのだ。せめて1目盛りが50くらいの問題にすべきである。

(結論)A問題は、基礎基本を問うような問題とはとうてい言えず、解くに値しない問題の羅列である。

3,算数B問題の愚劣さについて

算数学習の応用がどれだけできているかを調べること自体は良いことだと考えている。しかし、文科省作成のB問題テストたるや、これまた愚劣問題オンパレードで、テストされる児童はこれまた悲劇、結果を一喜一憂する教委、親はこれまた喜劇を演じさせられているとしか言いようがない。
 いずれにしても問題は、文科省のホームページを見てもらうとして、出題された問題の愚劣さをさらに確認しておきたい。
 もう一度言います。文科省さん、私に頼めば無料で、解くに値する問題をいつでもつくってあげますよ。
(1番)
遊園地の乗り物券に関する選択問題。非現実的なわざとらしさの限りを尽くした愚劣問題。この問題を考えた役人(学者?)は遊園地に行ったことはないでしょう。児童は本当にこんな問題を想定して乗り物に乗っているの?
(2番)
振り子の等時性を度外視した愚劣問題。平均を問う問題で振り子を使うという発想自体が愚劣である。
(3番)
長方形の面積の分割問題それ自体は妥当な設定であるが・・
(1)分割方法の説明に関する選択問題であるが、応用問題なら説明させる問題にすべきである。当たるも八卦当たらぬも八卦問題にするのは愚劣。
(2)問題として妥当である。
(3)誤った分割方法の説明に関する選択問題であるが、応用問題なら説明させる問題にすべきである。当たるも八卦当たらぬも八卦問題にするのは愚劣。
(4番)
女子サッカーを素材にした問題で工夫されているが・・・
(1)単位当たり量を求めて比較させる問題として妥当である。
(2)座席の位置関係を問う問題であるが、これでも応用問題か?わざわざ解かせるに値するような問題ではない。
(3)妥当な問題でしょう。
(5番)
図書館の貸出冊数を題材にした問題で工夫されているが・・・
(1)グラフの変化を考える問題だが、選択問題とせず何年から何年までと書く、書き込み問題にすべきである。当たるも八卦当たらぬも八卦問題にするのは愚劣。
(2)後で「言葉と数と式」を使って説明させるなら、先に解答選択させるのは愚問である。素直に「言葉と数と式」を使って解答しなさいと問うのが応用問題の基本的あり方なのだ。

(結論)B問題、数学的応用能力を問うような問題はごくわずかで、解くに値しない問題の羅列である。