第一テサロニケ書を考える(第4章)

 聖書からの引用は、口語訳からのもの。田川建三訳、尾山令仁訳の二つの訳は好対照で読み比べている。


*パウロの再臨思想が簡単にわかる部分である。パウロのように自分が体験したイエス像がすべてだとして宣教すればするほど、生前のイエスの言動を知っている、聞き伝えている信者、弟子は危機感を覚えただろう。マルコ福音書もこういったことから生み出されたのだろう。

1 最後に、兄弟たちよ。わたしたちは主イエスにあってあなたがたに願いかつ勧める。あなたがたが、どのように歩いて神を喜ばすべきかをわたしたちから学んだように、また、いま歩いているとおりに、ますます歩き続けなさい。
2 わたしたちがどういう教を主イエスによって与えたか、あなたがたはよく知っている。

*教祖パウロが語ることがイエスの語ることであるというわけだ。

3 神のみこころは、あなたがたが清くなることである。すなわち、不品行を慎み、
4 各自、気をつけて自分のからだを清く尊く保ち、
5 神を知らない異邦人のように情欲をほしいままにせず、
6 また、このようなことで兄弟を踏みつけたり、だましたりしてはならない。前にもあなたがたにきびしく警告しておいたように、主はこれらすべてのことについて、報いをなさるからである。

*異邦人はとんでもないことをやるからまねするな、とりわけ性的には禁欲せよというわけだ。兄弟どうし、つまり信者どうしは倫理的であれというわけだ。

7 神がわたしたちを召されたのは、汚れたことをするためではなく、清くなるためである。
8 こういうわけであるから、これらの警告を拒む者は、人を拒むのではなく、聖霊をあなたがたの心に賜わる神を拒むのである。
9 兄弟愛については、今さら書きおくる必要はない。あなたがたは、互に愛し合うように神に直接教えられており、
10 また、事実マケドニヤ全土にいるすべての兄弟に対して、それを実行しているのだから。しかし、兄弟たちよ。あなたがたに勧める。ますます、そうしてほしい。

*実行しているのに、さらに実行せよと、しつこい人なのだ 。

11 そして、あなたがたに命じておいたように、つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身をいれ、手ずから働きなさい。
12 そうすれば、外部の人々に対して品位を保ち、まただれの世話にもならずに、生活できるであろう。

*教祖パウロは命じる人であり、命じられるのは信者というわけだ。

13 兄弟たちよ。眠っている人々については、無知でいてもらいたくない。望みを持たない外の人々のように、あなたがたが悲しむことのないためである。
14 わたしたちが信じているように、イエスが死んで復活されたからには、同様に神はイエスにあって眠っている人々をも、イエスと一緒に導き出して下さるであろう。
15 わたしたちは主の言葉によって言うが、生きながらえて主の来臨の時まで残るわたしたちが、眠った人々より先になることは、決してないであろう。
16 すなわち、主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり、
17 それから生き残っているわたしたちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう。
18 だから、あなたがたは、これらの言葉をもって互に慰め合いなさい。

*パウロの終末観がよく現れている。眠っている人とはすでに死んだ人のことである。パウロが生きている間に終末がやってくる。終末の時には、キリストがやってくる。すでに死んでいる信者がまず最初に甦る。次に生存している信者が天空にひきあげられキリストに出会うことになる。そう言う筋書きなのだ。


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